ヤマハ XT660R、改めて振り返る——2004年に始まった「本格デュアルパーパス」の系譜が今も色あせない理由

バイク本体のイメージを示すデフォルメイラスト(2.5Dアイソメトリック) ニューモデル・業界ニュース
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友人から「安くて程度のいいアドベンチャー系ってないかな」と相談されて、最近ちょっとXT660Rのことを調べていた。2004年から2017年まで作られた息の長いモデルで、中古市場にもそこそこ出回っているやつだ。そのタイミングで、MCNのXT660Rロングタームレビューが目に入って「あ、これちゃんと掘り下げたい」と思った次第。発売から20年以上経ったバイクの話だけど、だからこそ見えてくるものがある。

フューエルインジェクション&水冷——2004年のXT660Rが当時どれだけ「攻めた」設計だったか

2004年当時、ヤマハがXT660RとスーパーモタードスタイルのXT660Xを出してきたとき、業界的には結構な衝撃だったらしい。それまでのXTシリーズといえばエアクール・キャブレター仕様のいわゆる「古典的トレールバイク」だったわけで、そこに突然フューエルインジェクション+水冷エンジンを積んだ本格デュアルパーパスをぶつけてきたのだから。

660ccの単気筒エンジンは最高出力48馬力、トルクも57Nmと、当時の同クラスでは申し分ないスペック。水冷化によって冷却効率が安定し、インジェクションによって高地や寒冷地でのエンジンフィールも大幅に改善された。2004年というタイミングで、ここまで実用性に振り切った判断ができたのはヤマハらしいと思う。

フレームはスチール製のダブルクレードルで、フロントに43mm径の倒立フォーク(トラベル量200mm)、リアにはモノクロスサスを採用。車重も187kgと単気筒660ccとしては良心的なラインで、林道も街乗りもこなせるバランス感覚を持っていた。2013年にABSモデルが追加されたのも、13年間の販売期間の中で着実にアップデートが入っていた証拠だ。

2025年の今、XT660Rが中古市場で持つ「独特のポジション」

話を今に引き戻すと、XT660Rが面白いのは現行モデルが存在しないにもかかわらず、中古市場での評価が安定していること。2017年に生産終了して以降、後継モデルと呼べる存在がヤマハのラインナップにない。テネレ700は明らかに上位クラスだし、セロー250は排気量が全然違う。XT660Rが担っていた「400〜700ccのデュアルパーパス」という枠は、日本でも海外でも意外とぽっかり空いたままだ。

日本市場では正規輸入が限られていたこともあって流通量はそれほど多くないが、程度のいい個体は50〜80万円前後で取引されていることも多い。20年落ちに近い車体でもこの価格帯が維持されているのは、代替となる選択肢が少ないからだと思う。GWのロングツーリングシーズンに「荷物を積んでガタガタ道も走りたい」というニーズが毎年一定数あるのに、ちょうどいい排気量のデュアルパーパスが減っている現象は、輸入車市場を含めても顕著だ。

個人的に気になるのは、ヤマハがこのポジションに再参入する気があるのかどうか。テネレ700の成功を見ていると、デュアルパーパス自体への需要は証明されている。XT660Rが13年間売れ続けた事実は、中途半端なサイズ感に見えて実は「ちょうどいい」と感じるユーザーが一定数いる証拠だろう。燃料タンク14.5L、シート高870mmという設定が多くのライダーに刺さったのも、今振り返るとわかる気がする。現代の技術でXT660Rを作り直したら——そう妄想しながら友人への中古選びの回答をまとめている。

※画像は記事内容に基づくAI生成イメージ(2.5Dデフォルメ)であり、実在の車両・機構とは異なります

この記事はMCNの報道を元に、日本市場の視点から独自に考察・編集したものです。MCN

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