ホンダの3輪バイクは「ジャイロX」だけじゃない。かつて「スリーター」という3輪バイク群があり、2ストから4ストを経て、いま電動3輪スクーターへと向かっている。配達の現場を支えてきたこの系譜は、単なる懐古ネタじゃなく、これからの電動配達車両のヒントが詰まっている気がする。
正直に言うと、ジャイロXって「バンクしない後輪」の印象が強すぎて、3輪バイクに「楽しさ」を求める発想自体がなかった。荷物を運ぶための道具、それ以上でも以下でもないと思っていた。でも今回、ホンダの3輪バイクの歴史を辿ってみると、実は「バンクする3輪」という遊び心のある機構がスリーターの時代から存在していたらしい。効率一辺倒の配達車両というイメージが、ちょっと覆される話だ。
「スリーター」というもう一つの3輪バイク史
ジャイロシリーズの前身にあたる「スリーター」は、ホンダがかつて数多くラインナップしていた3輪バイクの総称とされる。2ストロークエンジンからスタートし、その後4ストロークへと移行、現在のジャイロXやジャイロキャノピーへとつながる系譜を形成してきたという流れが今回の記事では紹介されている。単に荷物を積むための箱型シルエットではなく、「バンクする楽しみ」という走行フィールにまで踏み込んだモデルがあったという点は、配達車両としてのジャイロXしか知らない層には意外に映るはずだ。
配送業界で長年にわたりジャイロXが選ばれ続けてきた理由は、悪天候でも安定して走れる後輪2輪構造と、積載力の高さにある。バイク便や新聞配達、ピザや弁当のデリバリーなど、日本のラストマイル配送を陰で支えてきた実績は大きい。その土台に「バンクする3輪」という発想が過去にあったというのは、効率だけでなく走りの楽しさも追求していた時代があったことを示している。
電動3輪スクーターへの転換、海外の配送EVとの温度差
2スト→4スト→電動、という流れは、実はどの乗り物カテゴリでも共通する王道パターンだ。ただ3輪の配達用スクーターというジャンルに限ると、海外ではすでに電動化がかなり進んでいる。欧州の都市部ではラストマイル配送向けの電動3輪・4輪カーゴビークルが台頭していて、Amazonや大手宅配業者が実証実験レベルではなく商用運用に踏み込んでいる例も報じられている。北米でも同様に、電動カーゴトライクが自転車便の延長線上として都市部で使われ始めている流れがある。
日本の配達現場は依然としてジャイロX(エンジン車)が主力という印象が強いが、電動3輪スクーターへの置き換えが進めば、燃料費・メンテナンスコストの両面で配達事業者にとってのメリットは大きいはずだ。特に大型バッテリーを積んだ3輪構造は、2輪の電動スクーターよりも安定して重い荷物を運べる可能性がある。海外の配送EV市場が先行している分、いずれ技術やノウハウが逆輸入的に日本の3輪スクーター開発にも波及していくシナリオは十分考えられる。
免許区分と競合、日本市場でのポジションを整理する
ジャイロXは排気量50cc、原付一種に区分される。この免許区分の手軽さこそが、配達業務での圧倒的な普及を支えてきた最大の理由だと言っていい。普通自動車免許では乗れないが、原付免許があれば誰でも扱える裾野の広さは、電動化しても維持してほしいポイントだ。
電動3輪スクーターとして国内で購入できる競合には、Honda EM1 e:のような原付一種クラスの電動スクーターがあるが、これらは基本的に2輪構造であり、3輪ならではの積載安定性とは棲み分けが異なる。Kawasaki Ninja e-1のような電動車両もあるが、これは配送用途というより趣味性の強いモデルだ。3輪かつ電動、かつ業務用途に特化した車両となると、国内では選択肢がまだ限られている印象がある。ジャイロシリーズの電動版がどういった形で登場するのか、価格帯や発売時期については公式発表を待つしかないが、既存のジャイロXユーザー基盤を考えると需要は決して小さくないはずだ。
Yotaの正直な感想
個人的には、「バンクする3輪バイク」という発想が過去に存在していたことに一番驚いた。配達車両=無骨で実用一辺倒、というイメージを勝手に抱いていたけど、乗り味にもこだわっていた時代があったわけだ。電動化が進む中で、こういう「楽しさ」の部分がどこまで残るのか気になる。効率重視でバッテリーとモーターだけ載せ替えました、みたいな味気ない進化だけはしてほしくないなと思う。
夏場の配達業務なんかを想像すると、電動化によってエンジン熱がなくなるだけでも現場の快適性はだいぶ変わりそうだ。猛暑の中でメッシュジャケットか革ジャケットか悩むライダーと同じように、配達員にとっても「熱源が減る」というのは地味に大きいメリットになるかもしれない。
※画像は記事内容に基づくAI生成イメージ(2.5Dデフォルメ)であり、実在の車両・機構とは異なります
この記事はバイクのニュースの報道を元に、日本市場の視点から独自に考察・編集したものです。バイクのニュース

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