DucatiがモトクロッサーDesmo450 MXをベースにした純粋な競技用スーパーモト「Desmo450 SM」の詳細を発表した。サスペンションからブレーキ、電子制御まで専用設計で、公道走行不可・スリックタイヤ標準装備というガチ仕様。欧州では2026年12月から一部ディーラーに導入されるとのことで、日本での取り扱いは現時点で分からないが、KTMやハスクバーナが独占していた競技スーパーモト市場にDucatiが本気で殴り込みをかけてきた、というのがこのニュースの核心だ。
先日、旧いスーパーモトの中古車情報をなんとなく眺めていたら、KTMの450SMRやハスクバーナFS450みたいな「公道不可・レース専用」のスーパーモトが、実は今もカタログに載り続けていることに気づいた。国内ではめっきり数を減らしたジャンルだけど、海外では根強いレースシーンがちゃんと生きている。そこにDucatiが割って入ってきたというのが、今回のニュースだ。
MXの流用じゃない、全部作り直したという主張
Desmo450 SMは名前の通りDesmo450 MX(モトクロッサー)がベースだが、Ducati側は「MXに新しいホイールを履かせただけじゃない、全部のパーツに手を入れた」と明言している。具体的には、Showaと共同開発した前後サスペンション(フロントは49mmの倒立フォーク、フルアジャスタブルでカシマコートのインナーチューブ、トラベル280mm。リアはリンク式でトラベル295mm)、ホイールは前16.5インチ・後17インチでExcelリムにBartubelessシステムを採用し、回転部・バネ下重量を1.2kg軽減したという。タイヤはMetzeler Racetec Slick SMで、これは世界選手権と同じ銘柄。ブレーキはBrembo Stylemaキャリパー+Galferディスクの組み合わせだ。
エンジン自体は最高11,900rpmまで回るデスモドロミック機構を積み、Suterのスリッパークラッチとアクティブクイックシフターを組み合わせる。さらに実際のリアタイヤのスリップ量を推定するというトラクションコントロール(4段階+オフ)や、ローンチコントロール、エンジンブレーキコントロールまで搭載。この手のレーサー然としたバイクにここまで電子制御を積んでくるのは、正直Ducatiらしいというか、MotoGPやモトクロスで培った技術をそのまま持ち込んできた感じがある。メンテナンスもピストン・バルブクリアランスの点検が45時間ごと、オーバーホールが90時間ごとと、レース専用機らしいサイクルになっている。
日本でスーパーモトが下火になった理由とKTMという壁
日本の免許制度でいえば、Desmo450 SMのようなレース専用の450ccクラスは公道走行不可なので、そもそも免許区分の話にはならない(サーキットやモトクロス場での使用が前提のモデルだ)。ただ、この手の競技用スーパーモトが日本でずっと下火なのは、免許制度うんぬんより単純に「乗れる場所とレースシーンの規模」が理由だと思う。欧州はスーパーモト選手権が各国で普通に開催されていて、KTM 450SMRやハスクバーナFS450がそこにきちんと部品供給される前提で流通している。日本ではスーパーモトのレースイベント自体が限られていて、わざわざ輸入して維持するハードルが高い。
海外発表時点でのKTM 450SMRの価格は11,449ポンド、ハスクバーナFS450は11,499ポンドとされていて、Ducatiの Desmo450 SMもおそらく同水準の価格帯になると予想される(あくまで海外価格の話で、国内価格や発売時期については現時点で分からないので、気になる人はドゥカティジャパンの発表を待つのが確実だ)。この価格帯を見ると分かる通り、そもそも競技専用スーパーモトは「趣味の延長」というより「レースをやる人のための機材」で、国内での裾野が広がりにくい構造がある。
ここだけの話
正直、このジャンルはKTMとハスクバーナの寡占状態がずっと続いていたから、Ducatiが本気で殴り込んできたこと自体が面白い。Giulio Fabbriが「MXに新しいホイールを履かせただけじゃない」とわざわざ強調しているのも、KTM勢を強く意識している証拠だと思う。モトクロスのDesmo450 MXがすでに世界選手権クラスの実力者の手で結果を出しているらしいので、SM版もいきなり戦闘力の高い一台になりそうな予感はある。
季節的にはそろそろレースシーズンも終盤に向かう時期だけど、こういうニッチなレーサーの新型が出てくると、来シーズンに向けて動き出す整備士やチームがいるんだろうなと想像してしまう。国内のスーパーモトファンにとっては指をくわえて見ているしかない状況が続くかもしれないが、Ducatiがこのクラスに参入したという事実自体は、KTM・ハスクバーナの二強体制に風穴を開ける動きとして覚えておいて損はない。
※画像は記事内容に基づくAI生成イメージ(2.5Dデフォルメ)であり、実在の車両・機構とは異なります
この記事はMCNの報道を元に、日本市場の視点から独自に考察・編集したものです。MCN


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