Alpinestarsが2023年7月にブランド初のストリート向けフルフェイスヘルメット「Supertech R10」を投入し、海外メディアUltimateMCがストリート・サーキット両面でのインプレを公開した。ウェアやブーツ、プロテクターで培ったAlpinestarsのノウハウが頭部保護にどこまで生きているかが焦点で、日本のライダーにとっては「Araiやショウエイ一強のフルフェイス市場に、新しい選択肢が加わった」という話として捉えるのが妥当だろう。国内での価格や取り扱い状況は現時点で断定できる材料がなく、気になる人は正規代理店や販売店の情報を確認してほしい。
ヘルメットって、気づけばもう7〜8年同じメーカーのものしか買っていない、という人は多いんじゃないだろうか。俺自身も含めて、一度信頼したブランドから浮気しにくいジャンルの筆頭がヘルメットだと思う。だからこそ、長年ウェアやブーツ、グローブ、プロテクターで「転ばせない・守る」を突き詰めてきたAlpinestarsが、ようやく本気でストリートフルフェイスに参入してきたというニュースは、地味に見えてかなり大きな出来事だと感じている。
60年以上ライダーを守ってきたブランドが最後に着手した「頭部」
Alpinestarsは60年以上にわたってライダー全身の防具を作り続けてきたブランドだ。オフロードヘルメットやレーシングスーツ、ブーツ、グローブ、各種プロテクターやニースライダーまで、ライダーの体を守るジャンルはほぼ全て手掛けてきた。それでもストリート向けフルフェイスヘルメットへの本格参入は2023年7月と、実はかなり最近の話。裏を返せば、それだけ「頭部を守る」というジャンルに慎重だったとも言えるし、既存のヘルメット専業ブランドの牙城がそれだけ強固だったということでもある。
Supertech R10は、そんなAlpinestarsが満を持して投入したフラッグシップモデルで、ストリートとサーキット走行の両方を意識した設計になっているという。ウェアやブーツで積み上げてきた空力・軽量化・保護性能のノウハウが、どこまでヘルメットという全く異なるプロダクトに転用されているのかは、既存インプレを追う限りでも興味深いポイントだ。
日本市場で見るなら「Arai・Shoeiとどう違うか」がすべて
日本でフルフェイスヘルメットを検討する際、多くのライダーがまず候補に挙げるのはArai(RX-7Xなど)かShoei(X-15など)の国産フラッグシップだろう。この2ブランドは国内でのシェアも信頼も圧倒的で、SGマークやJIS規格、公道使用に関する実績・情報量の面でも安心感が違う。Supertech R10がこの牙城に食い込めるかどうかは、価格帯・快適性・そして何より安全規格の取得状況にかかってくる。
海外のフラッグシップヘルメットは一般にECE規格やSNELL規格を取得して展開されることが多いが、Supertech R10について国内向けのSG規格やPSC取得状況、日本での正式な販売体制がどうなっているかは、現時点で筆者側では確証を持てる情報がない。この点は各代理店や販売店の公式情報を確認してもらうのが確実だ。仮に国内展開されるとしても、価格帯はAraiやShoeiのフラッグシップ(概ね7〜10万円台)と同程度かそれ以上のゾーンに位置づけられる可能性が高いと見ておくのが自然だろう。
フィッティングの面でも気になるところだ。Arai・Shoeiは日本人の頭形状(いわゆるオーバル系)に合わせた内装設計に強みがあり、これが根強い支持の理由の一つになっている。イタリアンブランドのAlpinestarsがどこまでアジアンフィットに配慮した内装バリエーションを用意してくるかは、実際に試着してみないと分からない部分が大きい。この辺りは、季節的にも蒸し暑くなってくるこれからの時期、通気性や汗によるフィット感の変化とあわせて店頭で確認したいポイントになりそうだ。
Yotaの正直な感想
個人的には、Alpinestarsがヘルメット市場に本気で殴り込んできたこと自体を歓迎したい。ウェアやブーツでは「ここまでやるか」というレベルの作り込みをしてくるブランドだから、Supertech R10にもそのDNAが相当量注ぎ込まれているはずだ。ただ、ヘルメットは命を預ける部分がとりわけシビアなジャンルで、AraiやShoeiが何十年もかけて積み上げてきた「日本人の頭に合う」「壊れ方が分かっている」という蓄積は、ブランドの勢いだけでは簡単に超えられない。
Supertech R10がどんなに海外で高評価を得ていても、国内で選ぶかどうかは結局、実際に店頭で被って、規格表示を確認して、自分の頭にフィットするかを試してから判断するしかない。新しい選択肢が増えること自体は歓迎しつつ、乗り換えは慎重に検討したい、というのが正直なところだ。
※画像は記事内容に基づくAI生成イメージ(2.5Dデフォルメ)であり、実在の車両・機構とは異なります
この記事はUltimateMCの報道を元に、日本市場の視点から独自に考察・編集したものです。UltimateMC


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